「学びたい」という気持ちのすごさ

今日はマンガ教室だったのだけど、iPadのデジタルイラストでの子どもたちの画力がものすごく上達してて度肝を抜かれた。

ギガスクールで支給されているiPadだからプリインストールされているアプリしか使えない。メモ、写真、フリーボード、サファリの組み合わせ。検索能力を磨き、お互いに教え合い、マジすかのクオリティで描いている。終了時間が来てもまだ描こうとする。

子どもの「学びたい」のエネルギーは凄まじいと思う。やらされる勉強はつまらないが、やりたい勉強はいつまでもできる。大人の役割は子どものそんな心にどう火を灯すかなのだと実感した場面だった。後は勝手に自分が欲しいものを引き寄せていくのだ。

岩田廉太郎先生

今日は漫画の大先輩、岩田廉太郎先生の葬儀でした。享年73歳です。
先生は高卒後にすぐ上京し、手塚プロでアシスタントをして腕を磨き、22歳でプロデビューして冒険王などに描いていました。地元に帰ってからも30年。朝から晩まで漫画を描き続けてきました。その作風は子供から大人まで年代を問わず生きることに希望をもたせる力にあふれており、新聞の連載も多くのファンレターが届いていたそうです。
仕事上でも人物伝や歴史もの等のまんが制作を通してたくさん教えていただきました。鳥取県在住の漫画家として多くを引っ張っていただきました。
人生の主人公を生き貫いた岩田先生。本当にかっこいいと思いました。ありがとうございました。

進化する学校でのイラスト制作環境

コロナのときにギガスクールの環境がどんどん整って小中学校でiPadを使う環境が整ってきたこともあり、いままではできなかったデジタルイラストのマンガイラスト教室ができるようになって今年度で二年目を迎えている。対象はiPadを取り入れている学校だ。ChromebookやAndroidタブレットはまだ動作が重くなりがちでiPadの一強状態だが、それも数年たてば解消すると思う。

さて、デジタルイラストだが、iPadにはメモ、フリーボードなど、ペンや指でイラストが描けるアプリがいくつかある。それの使い方を通してデジタルイラストの基礎をマスターしようというのが狙いで、思いのほかうまくいっている。全国でもこのレベルでやっているところは少ないし、You Tubeでもここまで使っているものは見当たらないので動画にしたい。

イラストを書く環境はさらに発展している。マンガ教室を行っている大栄中学校では要望があったらしく、アイビスペイントという無料のお絵描きアプリがインストールされたということで、それを使ったイラスト講習ができないかという相談を受けた。スマホでも絵が描ける高機能のアプリだ。ラッコ塾でもアイビスペイントを扱いたいと思っていたので教材の制作に着手。このアプリはマニュアルは充実しているが、イラスト作成に関する一連の手順を説明する教材はまだないので、簡易的なものを作った。これでまた一つ新しい教材ができたということになる。

デザイン業のフェーズが変わってきたという話

デザイン業とか広報活動もiPhoneとかiPad、手持ちのパソコンであれだけ簡単にいろいろ作れてしまうと、デザイン業はある意味、斜陽産業になってるのかもと感じます。まだまだ必要とされる世界もあることはありますが、コモディティ化するのも時間の問題かもしれません。

フリー素材は多いですし、ネット印刷もスマホからできますし、グッズも簡単に作れます。出版も宣伝も個人でできます。情報発信も無料のメディアがあります。絵もAIが描くようになるでしょう。デザイン業の求人もホント少なくなったから次のフェーズに移ってきてるのかもしれません。

現在は普段からの人付き合いを大事にしている人が商品開発の段階から密に関わってプロモーションやイベントまで一貫してるところが残っている印象です。AIが話題の昨今ですが、デジタル技術が進むほど人同士のつながりや絆、五感で感じられるものが大切になってくるのがおもしろいと感じる今日このごろです。

(まんがの話)アイディアが続かない作家、無尽蔵に湧いてくる作家の違い。

作家さんあるあるで、1作目はすごくいいのが描けたのだけど、2作目は使わなかったネタで作成、3作目以降はさして面白くもないものができてしまうという現象があります。これは、材料がなくなっていく中で料理をしているのと似ています。

新作を作るには、たくさんの新しい材料が必要になるのです。材料は体験や勉強したことなどから得る人がいますが、自分の体験や知識だけだとすぐに空っぽになってしまいます。

では作家はどうしているかというと、自分なりの料理法を開発しているという方が多いです。1個のりんごでも、捉え方や描き方で作品になっていくのです。作家が100人いれば、100通りの流儀があります。だからこそ無限に作品が生まれてくるのです。

その中でも無尽蔵にアイディアを出す作家は、様々な感動体験を探し、表現を磨き、さらにはアイディアを宇宙と交信して得ているのではと思わせるくらいのことをしています。一生かけても書ききれないほどのテーマを見つけ、それを多くの人を感動させられる形で表現できる作家はやはりすごいと思います。

まんが偉人伝の作り方を要点にまとめました

ふるさとの偉人の話を物語で記録しておくということは、子どもたちに未来の可能性を示唆したり、故郷に誇りを持ってもらうことに約だったりするので、よても有意義だと思います。明治時代の偉人は私財をなげうって取り組んだ人もザラに居たりするので、生きるとは何かを教えてくれます。

私もよく仕事で地元の偉人伝(人物伝)を作るという機会があります。何度か作っていると、作るのに何が必要で、中身を面白くするのに何が必要かということもわかってきます。これからまんがで偉人伝を作りたいという自治体や団体のためにいくつかメモしておきます。

1)なぜ作るのか/子どもたちにこの物語を通して何を伝えたいのかをはっきりとさせます。特に必要なのは熱意です。

2)予算の確保と制作委員会/漫画は低予算で作れるとはいえ、プロに頼んだりするとそれなりに費用がかかります。最近はクラウドファンディングで先に読者と予算を確保する形で進めたり、こういったことを支援してくれる財団や補助金があったりするので、それを利用することも良いと思います。制作するためには発起人や製作委員会を立ち上げるのが一般的で、企画を練り上げて進行・申請します。予算感としては印刷代も含め100万円〜500万円くらいで作ることが多いようです。100万円以下でも作れなくはないですが、ページ数が極端に減っていくリスクが高まります。

3)資料の収集と確認/偉人伝を作るには、資料や取材、遺族の許可、著作権の確認などが必要になります。本人の人となりがわかるエピソードは特に貴重です。主人公だけでなく時代背景や交友関係なども調べます。漫画の場合は絵にするので、そのための資料も集めます。年表だけで偉人伝を作ることはできません。ドラマは年表にある事実と事実の間にあるからです。写真などを一緒に掲載する場合は著作権にも留意します。

4)シナリオ制作/漫画にする前に、シナリオを作ります。シナリオは物語の核なので、丁寧に作ります。ページ数が決まっていることも多いので、どんなエピソードを採用し、どんな登場人物を出すかを吟味してお話を作っていきます。シナリオを作る際に最も大切なのは冒頭の「なぜ作るのか」「誰に読んでもらい、何を感じてほしいか」という軸になります。それからコマを割ってネームを書き、清書して仕上げます。

5)コミュニケーション/偉人伝は多くの人々の協力で完成させるものなので、発起人のメンバーは資料の提供者や監修者、漫画家と信頼関係のあるコミュニケーションを心がけます。それぞれの立場と、得意なことがうまくマッチするほど、出来上がってくる作品は良いものになります。

6)制作期間は余裕を持って/こういうプロジェクトは多くの人が関わります。企画を立て予算を確保、許可取り、資料収集、考証、シナリオ作り、ネーム、キャラデザイン、清書、校正、印刷など様々な段取りがありますので、十分な時間を取って進めましょう。100ページくらいのものであれば、1〜2年位の制作期間が最短コースになると思います。

他にもいろいろありますが、特に大切なのはこの6つといえます。

【漫画家の技】睡眠の質を良くするコツ

漫画家と言えば「締切に追われてよく徹夜をする」というイメージがありますが。徹夜自慢の人は寿命が縮むリスクが高くなることがわかっています。少しでも長く健康でいたいなら、漫画家に限らず、質の良い、十分な睡眠をとる方が良いのです。

十分に眠っていると、まず集中力も記憶力も良くなるので、仕事も勉強もはかどります。

【睡眠に悪いものをいくつか上げると・・・】

時間が短い/睡眠時間が1日6時間を切り始めると、目に見えて効率が悪くなります。運転する人は事故のリスクが高まります。ショートスリーパーはその遺伝子を持っている人だけの能力で、後天的にはなることはできません。

就寝前に眠りを阻害する飲み物/就寝前にカフェインの多い飲み物やアルコールを飲むことも睡眠を妨げます。

就寝前にスマホ/就寝前にスマホなどをいじってしまうと寝るタイミングが狂ったりなどします。いじるなら早起きしてするほうがおすすめです。

肥満/体重が増えると高血圧や睡眠時無呼吸症候群などのリスクが高まります。

睡眠時無呼吸症候群/悪いというよりは病気ですが、十分に眠っているはずなのに眠くなってしまう人は検査を受けてみましょう。

 

【質の良い睡眠のためにする工夫】

就寝1時間前には寝る支度をする。寝る前に冷たくない水を飲む。部屋の温度は寒すぎずあつすぎず。暗くして寝る。睡眠時間は7時間は確保する。冬場は体を温めてから寝る。運動不足に気をつける。などなど・・・

 

【なぜ眠くなるのか】

人は、たくさん体や脳を動かしておくと、それがある程度溜まったときに自然に眠気をもよおすようにできています。眠くなったら寝られる環境を用意して眠りましょう。ストレスが高いと夜中にお腹が減ったりする人が居ますが、これもストレスが空腹を感じさせるためです。夜中食いは体に良くないので、お腹が空いても水を飲むくらいでぐっと我慢しましょう。朝にはケロッとしてる場合が多いです。

 

【眠れないとき】

恐怖や心配事があると眠りが浅くなります。これは興奮物質が脳に分泌されているためです。また、運動不足でも眠気が来なかったりします。無理に寝ようとせず、眠くなるまで起きて待っていると眠くなるので、慌てず待つのが得策です。

 

毎日ベストのコンディションを維持するため、良い眠りを維持したいですね。それでは良い眠りを。

地元山陰で漫画やイラスト制作をする人をちらほら見かける。

鳥取県在住の若い人が地元の団体の依頼を受けて漫画を書くケースが増えているみたいで、素直に嬉しい。自分より下の世代が活躍してくるのは希望を感じまね。
地元まんがのストーリー構成はまだ拙い感じがあって、「怪しい訪問者が実は・・・」とか「精霊が出てきて説明」という一番ポピュラーなパターンが目立ちます。安易でわかりやすいのでありなのですが、これって1度や二度は描けるけど、回数をこなし始めるとネタづまりを起こしやすくなるんですよね。結果、作っただけで読まれにくくなっていくことにもなりかねないので、打開策を教えてあげたい・・・。
ラ・コミック的にはマンガ制作について予算感も前例を作ったような気がします。
漫画制作費はそう高くはないと思うので、予算が確保できれば県内のいろんなお話がまんがにできますね。早くアニメもたくさん作るようにならないかな。